アトピー性皮膚炎

症状

自己免疫疾患は、自己反応性免疫細胞に対する免疫寛容が低下するために、自己免疫分子を攻撃する免疫系によって起こされる疾患です。日本国内での患者の数は毎年増え続けており、平成26年の自己免疫疾患の代表的な疾患である「アトピー性皮膚炎」の場合では45万6千人(「患者調査 - 平成26年患者調査 上巻(全国)- 総患者数,性・年齢階級 × 傷病小分類別」、厚生労働省、2015年12月17日)の患者さんがいると報告されています。

アトピー性皮膚炎

治療法

現在、アトピー性皮膚炎に対する治療の中心となる薬物療法は、外用療法というあなたやご家族の方自身の裁量が加わりやすい不確実な要素を持つ治療であり、ステロイド外用薬などの抗炎症外用薬による治療を忌避する傾向があるため、患者さんの生活の質(quality of life, QOL)の低下や社会生活の障害となることが多くあります。しかし、新しい生物学的製剤や低分子阻害薬といった分子標的薬を使った新薬が登場しました。抗IL-4Rα抗体である「Dupilumab」を用いた薬(販売名:デュピクセント皮下注300mgシリンジ)は、症状の緩和に効果があり, ステロイド外用薬と併用した場合は、1年にわたって高い効果が期待されていますが、これらの薬は一部の医療機関において特定の病状の患者さんに用いられます。また、外用薬としてPDE4阻害薬である「Crisaborole」を用いた薬(販売名:Eucrisa)も一定の効果があることから、アメリカでは薬として承認されています。近い将来、日本でも使用が可能であると予想しています。

幹細胞による治療法とその効果

幹細胞治療を行う場合には、再生医療提供機関(認定病院)において、患者様の腹部より脂肪細胞を少量(10~20グラム)採取致します。その後、当社の研究所において、「細胞の検査」「幹細胞の分離」「幹細胞の培養」「幹細胞の保管」のプロセスを経て、培養保管された患者様の幹細胞を認定病院において、静脈投与により患者様に投与致します。本治療は自身の自家脂肪由来間葉系幹細胞を体外で数多く培養し、体内に戻すことで、広範囲な炎症を抑えると共に、免疫システムのコントロールによって症状の改善を期待して行うものです。あなた自身の細胞を用いるため、他の治療法よりも高い安全性を持つことが期待されています。さらに、アトピー性皮膚炎に対する新たな治療となるよう、単独で用いられるだけでなく、従来の治療法と併用して、あなたの生活の質(QOL)の向上も目指して実施されます。

論文

Safety of intravenous infusion of human adipose tissue-derived mesenchymal stem cells in animals and humans.
Ra, Jeong Chan, et al.,Stem cells and development 20.8 (2011): 1297-1308 -「Rbio資料」
細胞由来:自家脂肪由来間葉系幹細胞 投与対象:マウス/ヒト
投与方法:静脈内投与(細胞数:マウス2.5×108 cells/kg、ヒト4.0×108 cells)

Effect of the multiple intravenous administration of cultured human autologous adipose-derived stem cells on tumor biomarker levels.
Ra, Jeong Chan, et al., J Clin Case Rep 2017, Vol 7(11): 1040 -「Rbio資料」
細胞由来:ヒト脂肪由来間葉系幹細胞 投与対象:ヒト
投与方法:静脈内投与(細胞数:1×108cells以上)

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